水平野(すいへいや)

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負利子金融の基本の考察

銀行など金融の世界において、利子は0より大きいのが当然となっています。
しかし近年、日本の国債の利子や中央銀行の利子が、さまざまな思惑によって、マイナスになる事例があります。
もちろんこれは、身近にあることではありません。

そこで、このマイナスの利子の発想を個人や一般企業など、ごく身近で成り立たせたとしたらどうでしょう。
このような利子が0より小さい金融を負利子金融、0より小さい利子を負利子と呼び、これらの一般的な性質について考察してみます。

基本

まず、ごく単純な場合を考えてみます。
Aという人物と、Bという人物がいるとします。
AがBに10万円を-10%の利子で、1か月の期間で貸すとしたらどうなるでしょうか。
利息は-1万円であり、BがAに返さなければならない金額は9万円となります。
つまり返済が行われたならば、AはBに金を貸したうえで、1万円をBに渡すという事になり、このままではAの得になることはありません。
ここで、AがBに条件を付けた上で貸していたとしたら、その条件次第ではAが何らかの得をする可能性があります。
例えばBが所有している物で、Aにとっては2万円の価値がある場合、それがBからAに譲る、という条件があったとしたら、Aにとって1万円の得になります。
このように、何らかの負利子のお金の貸しの引き換えとして、条件がつく、というのが負利子金融の基本的な考え方になるはずです。
条件で得るものとしては物であったり、情報など無形の物、労働力などあるでしょう。

正利子との比較

負利子金融と普通の金融との比較をしてみましょう。
その前に用語の整理として、0より大きい利子の金融を正利子金融と呼ぶことにします。また、0より大きい利子を正利子と呼ぶことにしましょう。
まず例として、10万円を1か月で10%の利子で貸す場合を考えると、返済時の金額は11万円となります。
負利子金融の場合は貸すときに条件が発動し、正利子金融は返済時に条件が発動するという違いがあるわけです。

購入との比較

こうみていくと、負利子金融は購入行為と似ている言えるでしょう。
お金を渡して何らかの物、あるいは情報、労働力を得るわけです。
違いは初めに渡す金額が大きいことです。
購入と同じ性質があるなら、素直に購入すれば良さそうにも思えます。
しかし、状況によっては負利子金融の方が購入よりも双方にとって得である場合があります。
例えばBが大きな金額、10万円を必要としているなら、1万円を動かすよりも10万円を動かすほうが取引は成立しやすく、本来2万円かかるところを1万円で何かを手入れることができるかもしれません。

まとめ

初手で大きな金額を渡し、後で回収することによって、購入よりも安く何かを手に入れる。こういったことが可能なのが負利子金融の醍醐味になるはずです。

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