水平野(すいへいや)

思ったこと考えたことを書いていく

tamalime9301の負利子金融についての考察

・自己紹介

初めまして、今回こちらの【負利子金融】について考察させて頂きましたtamalime930と申します。

元銀行員(融資業務)、現在プログラマーとして働きながら執筆・webライターをしております。主に金融系の記事やプログラミングの記事執筆をメインに行っております。負利子金融について改めて考える良い機会だと思い寄稿致しました。

 

・負利子金融についての感想

貸し手がプラスになるかどうかわからないものに対し、借り手にお金を貸し、それがマイナスで返ってくるなんて損をしたような取引のイメージを持っていました。ですが、契約時に借り手Bが低い価値、貸し手Aが高い価値となる条件を付与することで貸し手Aがプラスだと成り立たせるのはとても興味深いと思いました。契約時の条件がなく、そのままの解釈だと「借りて借り得、貸して貸し損」、つまり借り手Bが得をして貸し手Aが損をするままです。

このことを考えた時に出てきたワードが「マイナス金利政策」です。中央銀行がデフレ対策のために行う金融緩和政策の一種です。民間の金融機関が中央銀行に預ける当座預金金利をマイナスにすることです。そうすると金融機関は中央銀行に余分なお金を預けると金利を支払わなければならなくなるため、投資や融資などにより余剰資金が市場に流通するようになり、景気を刺激する効果を狙うというものです。この考え方は貸し手Aと借り手Bがベストマッチしたときと同じ条件です。

本来であれば景気を良くするために行ったものです。ですが、「マイナス金利政策」は成功したでしょうか?

ここで、私は「負利子金融」という言葉から「マイナス金利政策」の抱えるジレンマを想起しました。「負利子金融」は先に契約の条件を決め高い価値を得ますが、「マイナス金利政策」は高い価値は得ましたが、それ以上の地域金融の衰退などの弊害を招きました。結論的にはマイナスとなってしまったのです。

このことから「負利子金融」の考察の結果、ことわざ通りの「借りて借り得、貸して貸し損」にもならない、「マイナス金利政策」のジレンマという「闇」がどう明るくなっていくのかを考えさせられました。

 

・負利子金融における条件

負利子と正利子を考えたらもちろん利子に「負」つまり「マイナス」がないほうが良いと一般的には捉えられます。では、「負利子金融」における条件とはなんなのでしょうか。

わたしは負利子金融における条件を資産運用におけるプラスサム・ゼロサム・マイナスサムにも置き換えられると思いました。サムゲームの「ゲーム」とは、応用数学の中にあるゲーム理論のことです。利害の総和によってプラス、ゼロ、マイナスに分類します。プレーヤー全員の利益合計が、投資額に対してプラスになるときは「プラスサムゲーム」、プラスマイナスゼロになるときは「ゼロサムゲーム」、マイナスになるときは「マイナスサムゲーム」と言います。

マイナスサムゲームは、プレーヤーの投資金額の合計よりも換金額の合計が少ないゲームなので、平均するとプレーヤーは損をします。交渉などの場で双方が譲らずリソースを浪費したり、運営側が集めたお金からいくらかを抜いたりするケースが該当します。「負利子金融」におけるマイナスサムゲームは契約時に貸し手Aが高い価値となる条件を決められなかった場合、期待値がマイナスであることからリスクのある投資となります。これはギャンブルと同じで宝くじ、競馬、パチンコなどが挙げられます。

ゼロサムゲームは、プレーヤーの合計投資額を分配するゲームなので、必ず勝つ人と負ける人が存在し、勝った人と負けた人の取り分を合計するとゼロになります。「負利子金融」におけるゼロサムゲームは貸し手Aが借り手Bと同じ価値となる場合、期待値がゼロであることからこちらはプラスにもマイナスにもなりません。

プラスサムゲームは、プレーヤーの合計投資金額よりも還元額が大きいゲームなので、大きく勝つ人や大きく負ける人など濃淡はあるものの、平均すると全てのプレーヤーが勝つことになります。

「負利子金融」におけるプラスサムゲームは契約時に貸し手Aが高い価値となる条件を決めた場合、期待値がプラスであることから利益の見込める投資となります。

このことから「負利子金融」における条件で最も最良なのはプラスサムゲームと言え、懸賞や買い物に伴うポイント、株式投資などが挙げられます。懸賞や買い物に伴うポイントは、スポンサーや販売会社自身が、広告やリピーター獲得のためにお金を払っています。プレーヤー側としては、基本的に対価を払わず経済的価値を享受できるのです。このように「負利子金融」における条件は、貸し手Aが高い価値が最初から見込めるプラスの期待値を設定することが大事であると考察できました。