水平野(すいへいや)

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負利子金融による銀行の仲介による負債の減少

2022年6月21日の朝日新聞の記事によれば、地方自治体も合わせた政府の長期債務残高は「約1200兆円」に上り、財政悪化はよくなる気配がない。
この問題について、負利子金融という私が考察しているアイデアと、それを銀行が使うことで対処できるのではないか、というアイデアがあるのでご覧いただきたい。
そして、ご覧になったら、ぜひともコメントをしていただきたい。

仲介負利子金融

負利子金融とは、読んで字のごとく、利子がマイナスの時に成立する金融である。
簡単な例でいうと、100万円を貸して、返済は90万円でいいが、その代わり何かの労働、物を売ってもらう、ということになる。
そこに銀行を仲介として入れて、より活発なお金のやり取りをするのが、仲介負利子金融となる。

まず、

  • 仕事を請け負う主体、請負者をA(ラージエー)
  • 銀行をB(ラージビー)
  • 仕事を依頼する主体、依頼主をC(ラージシー)

とする。

具体的な例として、CがBに48万円を払い、BはAに400万円を貸して、AがCに50万円相当の労働をする、という流れでこれから説明する。

具体的な金額の流れ

通常のビジネスの取引では、請負者と依頼主の間で業務と金銭のやり取りがある。労働以外にも物の授受があるだろう。
例えば市場価値50万円の労働力を、AがCに提供し、CがAに報酬を払う、という流れだ。

通常の取引

負利子金融は、仲介がある以外は、特に普通の取引と違わないのが要点だ。

では、以下、より詳細な仕組みを述べる。

CがBに支払う

Cは銀行に、本来Aに支払う要望金と、銀行に仲介する手数料を支払う。
要望金が40万円で手数料が8万円の、計48万円が実際に支払われる金額だ。
その式は次のとおりである。

仲介手数料:g = 要望金:a × 仲介手数料率:d / 100

支払い金額:h = a + g

CはAに直接払うのではなく、Bに間接的に払うのが、要点である。

BがAに貸し付ける

BがAに貸し付けを行う。貸し付ける条件は、AがCに、市場価値50万円の労働力を提供することである。
貸付金額が400万円ならば、返済は360万円、利子は-10%となる。
要望金40万円がマイナス利子の返済を通してAに渡っているのが要点になる。
式は次の通りになる。

貸付金額:i = a × 貸し倍数:c

利子:f(%) = -a / i ×100

ここで負利子になっている。
返済に関しては、月ごとの分割で行うのがいいだろう。式は次の通り。

返済金額:j = i - a

月当たり返済金額:k = j / 返済回数:e

AがCに労働力を与える

普通のやりかたと同じように、AはCに労働力を与える。
bが50万円に対して、hは48万円と、2万円の得となる。
つまりCが支払ったhは、bより小さくなるようにできる、ということだ。

銀行の利益

ここで銀行の利益は次の通り。

銀行利益率:l(%) = g / i ×100

つまり、例の数字を当てはめるなら、銀行の利益は8万円、利益とできる率は2%、となる。
負利子金融では特殊な経路になっているが、これは通常なら、例えば100万円を年率2%で貸して、期限が来たら102万円の返済を受けるのと同等である。
ここでの要点は、利息を払うのは、お金を借りたAではなくCである、という点だ。

以上、これが基本的な流れとなる。

仲介負利子金融の概要

雪崩式借金

借金は雪だるま式に増えていくもの…それが普通だが、負利子金融は雪崩式に負債が減っていく。
負利子金融によって、有利子負債はどんどん少なくなり、負利子負債に代わっていき、そして負利子の負債は、さらに負利子の負債で返すことができるからだ。

資料

これらの式に、様々な値を当てはめたエクセルを用意している。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/12bDz2LjKBBu0e6CHB8uncBWlR6fbK70w/edit?usp=sharing&ouid=106148317783783885726&rtpof=true&sd=true
図とエクセルを見ながらだとより分かりやすいので、ぜひ見ていただきたい。

国と地方自治体の負債

国と地方自治体は、多くの負債を抱えていて問題となっている。
一方で、預貯金など民間の金融資産は、2000兆円を超えているとされる。

2022年3月17日の日経新聞の記事によれば、家計金融資産の内、現預金は「1092兆円」である。
2022年7月8産経新聞によれば、国内銀行と信用金庫を合わせた月中平均の貸出残高は「585兆691億円」であった。

この問題を負利子金融で解決できる。
ただし、国や地方自治体が直接労働力を提供することは難しいので、何らかの国営企業が、労働力を与えることになるだろう。
ちなみに、現在では国営企業はないそうだ。なので新設する必要がある。
業務としては、何でも屋、下請け、派遣で労働力を提供するのがいいように思う。
その場合は、既存の会社を買い取る手もある。

また、Aにはソフトバンクグループ(SBG)を当てはめてもよいだろう。
2022年5月5日のBusiness Journalによれば、SBGの連結有利子負債(国際会計基準)は「20兆6638億円」である。
この巨額の負債を解消するには、負利子金融が最も良いのではないだろうか。
そして、その場合もSBGは、何でも屋、下請け、派遣で労働力を売る。

銀行の立場

銀行としては商品としての負債が減ることは好ましくないかもしれない。
しかし、この仕組みはリスクの少ない借金を可能にするので、普通の金利なら借金をしない人・法人もこのやり方なら借金をしてもいい、という場合が多いと思われる。
また、いざというとき負債を減らせる手段があるということは、普通の金利での借金をしてもリスクがかなり軽減されるということであり、つまり負利子金融が一般的になれば、それだけ普通の金利での貸し付けがしやすくなるだろう。
なので、負利子金融は銀行にとって強大な武器になることは間違いないはずだ。

日本から韓国への負利子金融

2022年6月6日のハンギョレ新聞によれば韓国の家計負債は「1754兆ウォン」であり、2022年6月7日の同紙によればGDP比の家計債務残高は「104.3%」で世界36の主要国(ユーロ地域は単一統計)のうち「最も多い」とある。
ここで日本の金融機関から韓国の民間向けに負利子金融を行えば、日本の預金者が利益を得ながら、負債の減少による影響は韓国だけが受けることになる。

最後に

ここまで読んでいただき、感謝申し上げる。
この仲介負利子金融は、とっつきにくく、仕組みを理解するのに苦労があるかもしれない。
しかし、きちんと理解できれば、大きな可能性を秘めている仕組みだと、必ず思うはずだ。
ぜひとも感想をお寄せいただきたい。